大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和38(オ)407 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人岩本健一郎の上告理由について。

本訴は、被上告人が本件家屋の所有権に基づいて、何ら対抗しうべき権原なくそ

の一部を占拠する上告人に対し退去明渡を請求する訴訟であるところ、上告人は、

原審において本件係争家屋部分占有の権原として、被上告人の前主たるDが上告人

の叔父Eに本件家屋を賃貸したことを主張している。しかし、原判決は、被上告人

の本件家屋所有権の取得は前主たるDに対する国税滞納処分による競落によるもの

であるところ、右滞納処分による差押登記のなされたのは挙示の証拠上昭和二五年

四月二五日であると認められるのに対し、上告人主張のDE間の賃貸借成立は右差

押登記後たる昭和三三年六月一日であることが認められるとして、Eが本件家屋の

引渡を受けても、その賃貸借をいって被上告人に対抗し得ないから(最高裁判所昭

和二九年(オ)第一三号、昭和三〇年一一月二五日第二小法廷判決参照)、上告人

がEから本件家屋の一部を転借してもその占有権を以って被上告人に対抗し得ない

と判示して、上告人の抗弁を排斥し、被上告人の本訴請求を認容しているのであっ

て、その認定判断は、記録に徴し、すべて肯認できる。�

所論は、原判決が本件家屋の敷地に対する法定地上権の有無について判示した点

に関し縷説するが、右は、原判決が傍論として説示したところであり、所論は結局

判決に影響しない点に判断の誤りがあることをいうものであって、上告理由として

採用できない。

よって、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 柏 原 語 六

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 横 田 正 俊

裁判官 田 中 二 郎

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